
都内のとある商店街にて。
「知ってるか? あそこの角にできた新しいラーメン屋」
「おお、確か札幌ラーメンの店だよな! こってり味噌の太ちぢれ麺!」
「あー、腹減ってきた! なあ、近くだし行ってみようぜ!」
お腹を空かせた若い男達が、都内に進出してきた噂の札幌ラーメンのお店へと足早に向かっていく。
その様子を恨めしげに見つめる、妙な男がここにひとり。
「ラーメン人気はやはり不動か……ぐぎぎ!」
ギリギリと歯を食いしばる男の目の奥で、執念の炎が、燃えている。
「いや、まだだ……まだこの私にもチャンスはあるはず……! 全国すべての札幌ラーメン屋をスープカレー屋にすれば! スープカレーで世界を征服することも! 可能!!」
突然、男は駆け出していく。
「打倒! ラーメン!! YES! スープカレー!!」
「…………?」
去っていく男の背中を見つめながら、シエラ・ヴラディ(迦陵頻伽・d17370)は小首を傾げた。
いったい、何がどういうことなのだろうか……。
●
「シエラが見た人ね、スープカレー怪人さんだって」
「スープ……カレー……?」
「スープカレーか!」
斑目・スイ子(高校生エクスブレイン・dn0062)の言葉に、シエラはぱちくりと瞬きをし、緑山・香蕗(高校生ご当地ヒーロー・dn0044)は馴染み深いその響きにはっとしたようだった。
「スープカレーって、あれだよね。北海道の」
「おう、一時期すげー流行ってたの、俺覚えてるぜ」
「今は?」
「まあ、廃れてはいねぇけど、安定って感じだな」
北海道、特に札幌市の名物として定着してきたスープカレーではあるが、やはり、それを上回るものが、北海道にはたくさんある。
「そっかぁ、あたしも、札幌っていえば? って聞かれたら、スープカレーよりはラーメン思い出しちゃうなぁ」
「あ~、やっぱそうなるべな」
「……なるほど……だから、ですね……」
スイ子と香蕗の会話に耳を傾けていたシエラは、納得したように小さく頷いた。
シエラが見かけた男、スープカレー怪人は、ラーメンに対してかなりのライバル意識を燃やしていた。
「そのせいかな、ラーメン屋さんを襲撃しちゃうみたいだよ、スープカレー怪人さん」
スイ子が予測で捉えたのは、件の、都内の商店街に新しくできた札幌ラーメンの店に、スープカレー怪人が襲撃を仕掛ける様子だったという。
「スープカレー怪人さんが店に襲撃してくる時間は分かってるから、みんなはお店でラーメン食べつつ待ってればいいと思うよ。はい、これ♪」
言いながら、スイ子は教室に集まっていた灼滅者達にラーメンの無料チケットを手渡した。
「怪人さんは単身でお店に乗り込んでくるんだけど、お店には店員さんとか他のお客さんもいるから、一般の人を巻き込まないようにして戦う工夫が必要だよ」
例えば、スープカレー怪人をお店の外に連れ出す。または、店内にいる一般人の方をお店の外に避難させる、などなど。
方法は様々だが、その辺りの作戦は灼滅者達に任せると笑って、スイ子は開いていたノートをパタンと閉じた。
「スープカレーもおいしいけど、ラーメン屋さんがなくなっちゃうのは寂しいよね。そんなワケで、みんな、スープカレー怪人さんの灼滅、よろしくね♪」
「はい……了解、です……!」
「おう、したっけ行くべか!」
シエラが大きく頷いてみせるその側で、香蕗も自分の手の平に拳を打ち付けて気合いを入れた。
スープカレー怪人の暴挙を止めるべく、今、灼滅者達が動き出す……!
参加者 | |
---|---|
![]() 東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152) |
![]() 護宮・マッキ(輝速・d00180) |
![]() 殺雨・音音(Love Beat!・d02611) |
![]() 鷹栖・吟也(月夜の唄・d08320) |
![]() 守咲・神楽(地獄の番犬・d09482) |
![]() ジンジャー・ノックス(十戒・d11800) |
![]() 渡辺・綱姫(渡辺源次綱・d12954) |
![]() シエラ・ヴラディ(迦陵頻伽・d17370) |
●
太ちぢれ麺に絡み合う濃厚なスープ。たっぷりのモヤシとコーンの上で、じわりじわりと蕩けるバター。厚切りのチャーシューは惜しげもなく器からはみ出し、ほわりと広がる湯気からは食欲をそそる味噌の香りが立ち上る。
「おー久しぶりの札幌の味!」
「いやー。ラーメンっち言えば豚骨やけど、味噌もいいもんやね」
喜々として、鷹栖・吟也(月夜の唄・d08320)が豪快に麺をすすり、守咲・神楽(地獄の番犬・d09482)は一口含んだスープの味に笑って頷いた。
「はァ~、うちはしょうゆ派なんやけども、これも美味しおすなァ♪」
渡辺・綱姫(渡辺源次綱・d12954)が、温まった笑顔で至福のため息をついた。
「……上手に……吸引……できない……」
「おう、こっちにレンゲあるぞ」
熱々の麺をすするのに悪戦苦闘している、シエラ・ヴラディ(迦陵頻伽・d17370)に、緑山・香蕗(高校生ご当地ヒーロー・dn0044)はテーブルの隅に纏めて置いてあったレンゲを手渡してやる。
何だかすっかりラーメンを堪能している灼滅者達ではあるが、もちろん、本来の目的を忘れているわけではない。
灼滅者達は店の入り口近くのテーブル席を確保しつつ、今日、このラーメン店に襲撃してくるという、スープカレー怪人を待っているのだ。
「怪人ちゃん遅いね~」
いい具合にお腹もいっぱいになってきた。ふぅ、と短く息をつきながら、殺雨・音音(Love Beat!・d02611)がそう呟いた、まさにその時である。
「YES! スープカレー!!」
突然、出入り口のドアが勢いよく開け放たれた。
「聞けぇ! この店は今日からこの私のものだあぁぁ!」
頭の上にやや底の深い器。スパイスたっぷりサラサラスープの中から、ごろりと大きい素揚げ野菜と、ふんわりやわらか骨付きチキンが見え隠れ。
この男が、スープカレー怪人だ!
「さーて、どのラーメンからスープカレーに変えてやろうか……」
店内をうろつき始める不審な怪人に、店内が騒然となる。
「あー! ラーメン最高!」
そんな中、ひときわ大きく、ラーメンを絶賛する声が響いた。
「何っ……!?」
ぎょっと目を丸くして、スープカレー怪人は振り返った。その、焦ったような表情を見やって、声の主である、護宮・マッキ(輝速・d00180)は、にやりと笑ってみせる。
「スープカレーなんてラーメンの足元にも及ばないね! そう言ったんだよ!」
「そーらそーらー。ラーメンはバリエーひょんもほーふらしねー」
ラーメンを頬張る冬希も、マッキの挑発に合いの手を入れた。
「なっ、何を~!?」
流石に怒ったか、怪人は今にも襲い掛かってきそうな勢いで迫ってくる!
「はいはい、そこまで。北海道の名物同士で争ってどうするの。同じご当地ならせいぜい協力しなさい?」
すかさず、ぴっと伸ばした腕を怪人の目の前に差し出して、ジンジャー・ノックス(十戒・d11800)が仲裁に入った。
「ぬ、ぬぅ……しかしだな……」
渋い顔つきで、スープカレー怪人は灼滅者達のテーブルにつく。何とか、怪人の注意を向けることには成功した。後は、何とかして怪人を店の外へと連れ出すことができれば……。
「スープカレー、私は嫌いじゃないんだけどなぁ」
食事を終えた箸を揃え、膝に敷いていた白いレースのハンカチを畳んで口元を軽く拭きながら、東雲・夜好(ホワイトエンジェル・d00152)は思わせぶりに呟く。
「そうだろう! そうだろう!」
ぱっと、嬉しそうに目を輝かせるスープカレー怪人。
「ええ。でも、カレーのジャンルにすら入れてもらえない事も多くて、かわいそうよね」
「ぐ、ぐはぁーーっ!!」
持ち上げてから落とされた。結構な勢いで、スープカレー怪人は椅子ごとぶっ倒れた。
一瞬、しんと静まり返った店内。怪人はよろよろと起き上がり、強がった笑みをみせる。
「だ、だからこそなのだよ。スープカレーというジャンルを確立させるために、こうして我が永遠のライバルであるラーメン店を地道に一つずつ潰して……!」
「ちょい待ちィ! こないなとこで暴れはったら店自体無うなってしまいますえ! ここを新しくスープカレー屋に変えるいうても一から建て直しやとコレもぎょうさん必要になりますわ」
再び店の奥へと歩き始めた怪人を引き止めつつ、綱姫は指で輪っかを作ってみせてにこりと笑った。
「なんえ、ここはひとつ、場所変えましょ」
「そうだよ~、それに他の店に乗り込んで嫌がらせなんて、逆効果じゃな~い!」
音音もそう笑顔で促し、怪人の顔を見上げる。
「お客さん達皆、スープカレーのこと、嫌っちゃうよ~? それでもイイの~? ねえねえ~」
「ぐ……き、貴様ら、わりといやらしい奴らだな! そ、そんなこと言って私よりも先にこの店を乗っ取る気じゃなかろうな?」
「まさか。シスターがそんな事する訳がないでしょう。信じなさい」
涼しい顔で言い放ち、ジンジャーは怪人の背中をぐいぐいと押してやる。
「よっしゃ! 表に出ろ! っていうかな、人がラーメン楽しみにしちょんのに、それ壊すっちどういう事か!」
「ぬぅ! 言わせておけば……!」
「わかった、わかった。文句あるならラーメンとスープカレーで勝負だ。さっさと表に出ろ!」
さらには神楽とマッキに両側をがっちり掴まれて、スープカレー怪人は店の外へ押し出されていった。
「あ……ちょっと……まって」
途中、思い出したように、シエラは店員に人数分のラーメンチケットをすっと差し出す。
「あ、ありがとうございました……?」
「あー、こっちの事はすぐ片付けっから心配ねぇよ。けど、ちっと危なそうだから暫く外出ねぇでくれなー?」
何がなんだか、といった風な顔の店員に、吟也は困ったように笑いかけた。
「したっけ、そっちは頼んだ。こっちも少し残った方がいいべ?」
「任せておいて!」
念のため、香蕗や片喰をはじめ、何人かの灼滅者達は店内に残る。店の方の警戒は彼らに任せ、残りの灼滅者達はスープカレー怪人と共に店を出た。
●
ラーメン店から少し離れた場所にある小さな公園。灼滅者達とスープカレー怪人は向かい合い、じっと互いを見据える。
「スープカレーはただの薄めた水っぽいカレーに非ず。確り出汁をとってご飯が無くても満足できるようにつくってあるもの……」
「フ、わかっているじゃないか」
夜好とスープカレー怪人が、不敵に笑い合った。そんな二人の様子に、シエラは少し困ったようにおずおずと切り出す。
「えと……私……スープカレー……まだ……日本に来て……食べたこと……ない……の……何か……作法……とか……ある……の?」
「考えるな、感じろ。自分が思う一番美味い食べ方が、スープカレーの作法さ」
「随分と自信があるんだな。何か特別なレシピでもあるのか?」
同行していた流希が、武器を構えつつも興味深げに問い掛ける。
「フフフ、少年よ、特別なレシピは秘密だからこそ意味があるもの……自分が美味しいと思うレシピこそ、特別なレシピなのだよ。それを自分で発掘するのもまた一興……」
「ん……いろいろ……こだわりがある……のね……おいしそう……」
雄弁に語るスープカレー怪人の話に、シエラはこくりと小さく頷いた。
「さあ、そろそろ分かっただろう。そこをどいては貰えないか少年少女達よ。私には永遠のライバル、ラーメンを出す店を潰して回る使命があるのだ!」
「どかないよ! そんなにスープカレーを広めたいなら、私達を倒してからにしなさ~い!」
地面を蹴り、スープカレー怪人が踏み切ったのと同時、音音もしっかりと武器を手に身構えた。
戦闘開始。灼滅者達も素早く陣形を整える。
「ふ。地方でしか食べられない味を都内に紹介するのがどれだけ大変で、そして大切か、それを知らんお前でもあるまい」
真っ先に、神楽が前線へと飛び出した。
「チェーンジケルベロースっ!! Style:Deep Blue!!」
別府のご当地ヒーローである彼の身体が蒼く輝く時、そこに海地獄の力が宿る!
「面白い! 受けて立とう!」
だが、スープカレー怪人も負けてはいない! こう見えてもダークネス、いくら灼滅者とはいえ、何の作戦も無しに突っ込んでいって敵う相手ではない。
「だあぁぁっ! スープカレー・ダイナマイツ!!」
「ぐはぁぁっ!!」
怪人に捕まり、地面に叩きつけられた神楽が、爆発した。
「っきゃー! 緊急! 緊急~!!」
音音が慌てて回復を飛ばす。手が足りないほど、ごっそり持っていかれた。シエラも霊犬のてぃんだと共に回復に当たり、夜好のナノナノもサポートに急いで飛んでいく。
「もう! 自分の好きなもの広めたいってのは分かるけど、押し付けちゃうとただの困ったチャンだよ!」
「ええい、問答無用! スープカレーで世界を征服するそのために! 手段など選ばん!!」
音音の悲痛な叫びも届かない。スープカレー怪人は、再び灼滅者達に向かってくる。
「っと! そうカッカしってと、スープも煮詰まってマズくなるんじゃねぇの?」
鋭く切り返し、吟也はチェーンソー剣を唸らせ、勢いよく横へ払う。
「ぐうっ! なんの!」
「まったく、困ったお人やわァ」
怪人が一撃を受け止めている隙に、回り込んできた綱姫が縛霊手を振るった。「ご先祖はんが編みはったこの霊力の糸はそう簡単に解けまへんえ!」
綱姫の家に代々伝わる縛霊手、鬼斬丸から広がった網状の霊力が、スープカレー怪人の体を捕らえる。
「ぬぅぅ、まだ分からないか少年少女達よ! スープカレーの素晴らしさを!!」
「や、僕もスープカレーは好きなんだけどさ!」
聞き分けのない怪人に向かって、マッキは槍を構える。
「ラーメンも好きなんだよ! むしろラーメンが好き! とにかく! おいしいものはおいしいんだ!」
叫んで、踏み切った。
前に出ていた霊犬のブラックポメの脇をすり抜け、捻りを加えた槍を突き出す。
「それを暴力で汚す奴は許さない!」
「……そうか。わからないだろうな、貴様らには……」
後ろに飛び去り、スープカレー怪人は自嘲気味に笑ってみせた。
「決めつけないで。少しはわかるわ。カレー食べたいねって話をしたときにスープカレーのこと出すと、だいだい変な顔されるのもの。私も、それは少し悔しい……」
すっと、夜好の指が、虚空に赤い逆十字を描く。
「でも! スープカレーは! わざわざ力で制圧しなくても十分勝負できるポテンシャルを持っているはず! それは、あなたもわかっているでしょう!?」
赤きオーラが、スープカレー怪人の体を激しく引き裂いた。
「ぐああぁぁっ!!」
大きく仰け反った怪人が、がくりと地面に膝をつく。
「……っ、くそぅ! やはり、スープカレーはラーメンを越えることができないのか……っ!?」
「打倒ラーメンを目標にするようじゃまだまだ。あなたは、ただ真っ直ぐに、理想の味を目標にするべきだったのよ」
ジンジャーが、跪く怪人へと歩み寄り、斬艦刀を大きく振り上げた。
「っ、がっ……!」
「義兄さま!」
倒れかけた怪人に、綱姫がビハインドの雷鋼と共に詰め寄り、腰に差した刀をすらりと引き抜く。
「逆そりでも、ちゃんとした型で振りはれば斬ることは可能なんおすえ!」
「っは、はぁ……はぁ……フフフ、世界征服の道も、これまで、か……」
「目の敵を排除したって、好きになって貰う努力しないと意味ないべ? スープみてぇに、じっくりことこと知名度上げてりゃよかったんだ……」
崩れゆくスープカレー怪人に、吟也は燃える一撃を叩き込む。
「む、無念……また、次があるなら、その時こそ、は……!」
地面に倒れ込んだスープカレー怪人は、燃え尽きて、灰になった。
「……ラーメン屋で最期を迎えることにならなかったのだから、感謝してほしいものだわ」
武器を下ろし、ジンジャーは細く息をつく。
「……ラーメン屋さん……潰すより……カレーの良さを……極める……方向で……頑張った……方が……良かった……気がする……」
そっと呟いて、シエラは目を閉じた。
スープカレー怪人の灼滅、完了。
香ばしいスパイスの残り香が、風に乗ってふわりと漂ってくる……。
●
一時、騒然としていたラーメン店は、いつも通りの賑やかさを取り戻していた。無事合流を果たした灼滅者達は、そろって店を出た。
「やれやれ、動いたらまた腹減ったわー!」
ぐっと伸びをしてみせてから、吟也はすっかりペコペコになってしまったお腹をさすった。
まだまだ食べ盛りな、武蔵坂学園の灼滅者達。戦いに赴いていた者達はもちろん、ラーメンを食べるのを我慢して周囲の警戒に当たっていた者達のお腹も、もうペコペコだ。
「お腹、空いた……」
「はは、次はラーメン怪人が出るかもしれないな」
空きっ腹を抱えてしょんぼりする里桜に、熱志は冗談っぽくそんなことを言う。
ともあれ、任務は成功だ。
「お疲れ……様。怪我……大丈夫?」
「うん、何とか。皆のおかげだね。ありがとう」
心配そうに顔を覗き込んでくるシエラに、神楽は笑って返しつつ、仲間達にぺこりと頭を下げた。
「さって、札幌ラーメンも旨かったけど、博多ラーメンも旨いよ! あ、でも次はスープカレー食べに行こう!」
「そうね、スープカレーも悪くないじゃない。ま、押し売りされたら食べる気もしないけど」
はしゃぐ神楽。ジンジャーも薄く笑って頷く。
「せやなァ、折角やし、美味しいもん食べて帰りたいわァ」
「お! それじゃ、さっそくスープカレー、食べに行く?」
こんなにすぐにお腹が空くなんて、と少し恥ずかしそうにして笑う綱姫に、マッキが提案する。
「うん。スープカレー……食べて……みたい……な。近所に……美味しいお店……ある?」
「どうだべかなー、ちょっと待てよ、調べてみっから……」
シエラに小首を傾げられ、香蕗も首を捻りつつ携帯電話を取り出した。
きっと、都内でも探せばどこかにスープカレーを出すお店があるはずである。
「……お、あったぞ。駅前の辺りだな」
「ふふ、良かった。駅ならこっちの方角ね。さ、行きましょ。ラーメンも良いけどスープカレーもね♪」
笑って、夜好は皆を先導するようにして歩き出す。
「あ~あ、怪人でなければ、一緒にスープカレー食べ歩きなんてしても良かったけど……」
途中、来た道を振り返って、音音は少し寂しそうにため息を漏らした。
「……怪人ちゃんはいなくなっても、ネオン達はスープカレーの事、忘れないから!」
そうして、空に向かって、握った拳をぐっと突き出してみせる。
ラーメンはもちろん、スープカレーも立派な北海道の名物。どちらがより優れているかどうかなんて、考える方が野暮なのだ。
そんな想いを胸に、灼滅者達は商店街を後にした。
作者:海あゆめ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
![]() 公開:2013年12月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 8
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